こんにちは。松本です。
先日うちのスタッフがお伺いした現場で、僕は直接関わっていないのですが興味深い事例がありましたので紹介します。ショッキングな内容を含んでおりますので閲覧には注意をお願いします。

最初の電話は「アパートのテレビが映らなくなったのでどうにかしてほしい」というものでした。

「工事はお宅でやってもらったのではないのですが・・・」
というお話でしたが、これはよくあることです。違う会社様が工事した物件のアフターフォローは日常茶飯事です。ただ驚いたのはその理由です。
「工事をしてもらった会社が連絡がつかない」
と言うものです。
アナログ終了に伴う一過性の地デジ工事ブームに便乗したベンチャーだったのでしょうか?
さらに驚いたのはいつ工事してもらったものなのか尋ねた時です。
「工事をしたのは、今年の4月です」とのこと。
実に半年もたっていません。
ともかく集合住宅の全世帯でテレビが視聴できないとなると住民の皆さんの不満もさることながら、オーナー様の心理的負担も大変だと思います。
今回はどうしても即日にお伺いすることができなかったのですが、翌日になんとか日程を調整しお伺いさせていただきました。

現場では更に衝撃の光景を目にします。

川口市のアパートで立てられていた地デジアンテナ

曲がってしまっています

立てられていたアンテナは、まだ半年も経っていないというのにぐにゃりと曲がっています。
おそらくこれは立てた当初から曲がっていたのだと思います。
しかしこれが受信障害の原因ではなく、原因は別の場所にあるはずです。
そしてまず最初に点検をしなくてはいけない場所、それは電波を増幅するブースターです。

全体が全く映らなくなるケースとしては、ブースターの電源が切れているというのがもっとも多い事例です。また中にはブースターの故障や断線と言う可能性もあります。
そして、ブースターの格納されているであろう防水ボックスを開けると・・・


 

川口市で鳥の巣被害を受けたブースター

防水ボックスの中にはびっしりと鳥の巣が


 
これにはスタッフもかなり驚いたようです。
幸い既に巣は使われていないようでしたが、ブースターの電源が入っていなかったのでもしかすると映らなくなる直前に鳥が感電することによって、ブースター電源が落ちてしまったのかもしれません。
まずは鳥の巣を撤去し、漏電を確認し、念のため電源を新規に引き直して終了となる予定でした。
しかしオーナー様からのご希望で、アンテナを新しく立て直してほしいと言うこととなり、結局は全て新規に入れ替えることとなりました。
もちろん事前にお見積もりを出したのですが、どうやら前回工事を依頼した会社様に比べて格安の料金だったようです。
川口市アパートアンテナ立て替え工事

上が新しい地デジアンテナ、下は流用したテレ玉用アンテナ


 
アンテナの取付にはルールがあります。
原則として言われているものに関しては臨機応変に対応しますが、その中でアンテナの取付高さに関するものがあります。
以前のアナログアンテナでよく言われていたことは「高い位置に設置するほど性能(電波の受信)がいい」と言うこと。これはルールではなく、特性ではありますが地デジに関して言えば正解ではありません。
障害物を超えるとか、10m高くするとか、そうなると話は別ですが1m高くすることは必ずしも電波をより良好に受信できる結果を招きません。これは地デジの電波の特性によるものです。2m高くしても変わらないこともあります。
そこで今回は高すぎるアンテナを低い位置に付け替えました。
高さだけが要因ではないと思いますが、結果的には以前よりも良好に電波を受信しています。
ちょっと知っている人だと「2種類のアンテナは充分に離して設置する必要がある」と言うかもしれません。確かにそうです。しかし、地デジのアンテナの必要離隔距離は水平偏波で600mmと言われており、きちんと確保してあります。またアンテナ同士の必要離隔距離とは別に、アンテナと屋根の間にも必要離隔距離と言うものが存在します。このあたりはきちんと考慮した工事をしないといけませんね。
 
弊社もきっちりアフターサポートができるように頑張っていきたいと思います。