こんにちは。
松本です。 

今日はアンテナの寿命について少しお話したいと思います。

左の写真は先日アンテナの入れ替え工事の際に取り外した、古いアンテナの屋根馬(足)とアンテナを支える支線です。
今回の入れ替え工事はアンテナが倒れてしまったということで緊急の工事であったのですが、アンテナの寿命とはいったいどのくらいなのでしょうか。
一概には何とも言えませんが、弊社ではアンテナの寿命は7~10年と申し上げております。ただしこれは諸条件により大きく変わってくるものです。また何をもってアンテナの寿命とするかという問題もあります。

今回のお客様宅ではアンテナが倒壊することにより寿命といたしましたが、倒れた=寿命と簡単に結びつけられるものではございません。

このタイミングでアンテナの寿命と決めた理由には以下のようにいくつかの要因がございます。

  • アンテナが倒れて、一部の素子が破損してしまっていた
  • 使用していた部品のほとんどに大量の錆が付いていた
  • 設置してから10年以上経っていた
  • 使用していたのはアナログVHFのアンテナのみであり、御家庭内に地デジチューナーを内蔵していないテレビがすでになかった

今回は時期的に4番目の理由が一番大きいとも言えます。
もちろんその他の理由も大切なことばかりですが、こういった寿命の決定はその場によってかなり違いがあります。現在立てていらっしゃるアンテナが「すでに20年以上使い続けているが全く問題がない」というケースも実際に目にします。これらアンテナの寿命判定も弊社スタッフはきちんと考えて行っております。
再利用、継続利用にメリットがあればお勧めいたしますし、メリットがない、または危険性が高いなどの理由から寿命と判定させていただくこともございます。

このアンテナを支えていた支線のアップはこちらになります。
全体的に大量の錆に覆われていて、何度か折り曲げてみると簡単に折れてしまうほどの状況でした。
この支線が弱くなってしまっていたために、強風にあおられたアンテナを支えきれず倒壊してしまったようです。幸いけが人も出ず、(近隣も含め)屋根の破損もなかったようですが、それは不幸中の幸いと言えるでしょう。
アンテナの寿命に大きく関係する、本体および部材の劣化にも差があるのは想像に難くないと思います。たとえば、アンテナ工事のことを多少お調べになった方などはご存知かもしれませんが、最近はアンテナを支える支線はステンレスワイヤーを使用するのが一般的となってきております。ただし、被覆鉄線(カラーバインド)を用いた工事が不適切であるというわけではございません。事実弊社もかかわった総務省指揮のアナアナ変換工事(※1)の際にも、指定の支線は被覆鉄線でした。とはいえ、今回のお客様宅で目にしたのは被覆のない状態の錆びた鉄線での支えでした。これは不適切な工事と言わざるを得ません。もしくは、被覆が全てはがれてしまうほど経年劣化が進んでしまっていたということでしょう。
これも使用部材によってはアンテナの寿命が変わってくるとも言える部分ですね。

アンテナは一度設置してしまうと、案外とその存在を忘れてしまいがちです。
なかなかご自宅の屋根の上を気にされる方も少ないようで、それを痛烈に感じた経験があります。僕が以前家電配送部門も指揮していた際の話ですが、目的地と同じ番地が多くある中、多くの建物に表札がないためお客様宅がどこだかわかりませんでした。そこで、家々の前で電話をして「何色の屋根のお宅でしょうか?」と訊いたところ「屋根の色は知りません」と答えられました。
表札はなくとも、それぞれの建物の屋根の色が実にさまざまであったため、屋根の色がわかれば特定できる、というアイデアだったのですがいまいち実用的ではなかったようですね。
ちなみに、このお客様はコードレスの受話器で通話しながら玄関先まで出てきてくださいました。
話が横道にそれてしまいましたが、ご自宅のアンテナは「テレビが映らなくなったとき」がアンテナを取り替える時ではなく、7~10年で少なくとも点検(道路やベランダからの目視程度でも十分意味があります)等をされた方がいいと思います。アンテナが倒れていなくとも、テレビが問題なく映っていたとしても、アンテナの支線を補強したり場合によっては立て直しの必要があるかもしれません。

弊社の工事したアンテナは15年以上も問題なく使えるだろうという自負がございますが、やはりそれでも7年程度経ちましたら一度点検をすることをお勧めいたします。途中で適切な処置をするかどうかでその後の寿命にも大きく影響します。
なぜ弊社のアンテナ工事は寿命が長いと言えるのか、そのあたりのお話はまた別の機会にでも。

※1 弊社では2003年関東の一部地域で、地デジ移行の準備として地デジの放送周波数と重なる地方放送の周波数変換に伴い、高性能UHFアンテナへの取り替えなどの工事を行いました。また材料は全て指定のもの(アンテナなどは数社のメーカーのものがありました)として支給されました。

JUGEMテーマ:地デジ対策情報