こんにちは。松本です。
本日も現場で汗をたくさんかいてまいりました。
今朝出社したとき(午前7時には出社しています)には、とても寒くて会社内でも上着を脱げないような状態でしたが、日中はけっこう気温が上がっていたようですね。屋根の上は風さえなければ冬でも比較的暖かかったりするものです。もちろん陽があたっているという理由は大きいですが。

また、ヘルメットの中が特に温度が上がるので、額からは汗がポタポタ垂れるほどでした。下に降りると日陰になり、とたんに寒くなったりするので体を壊さないように気をつけなければいけません。 
 
今日はオール電化の見積もりとアンテナ工事の現場に行ってきたのですが、アンテナ工事の現場の写真を紹介したいと思います。
 
劣化して被覆の敗れたアンテナ線
これは本日アンテナ工事をしたお客様宅の屋根の上の写真です。
アンテナ線が写っているのですが、劣化して被覆がはがれてしまっているのがお分かりでしょうか。
現在のアンテナ線は同軸ケーブルと言って、同心円状に芯線(内部導体)、絶縁体被覆、アルミ箔(旧型・簡易型はこの部分がないものもあります)、編組線[ヘンソセン](外部導体)、外部被覆(シース)から構成されているものを使用するのが通常です。
アルミ箔の有無・線の太さ・インピーダンスで規格が分かれています。この同軸ケーブルと言うのも仕組みや特性はとても奥が深くて勉強すると面白いものなのですが、ここでは割愛させていただきます。

 
今回のお客様宅では、道路上で測定すると地デジの電波は悪くなかったのですが、室内のアンテナ差し込み口での測定では数値は芳しくなく、実際新たに購入されたAQUOSでも一部のチャンネルがひどいブロックノイズに悩まされるというものでした。
屋根の上で再度測定すると、やはりアンテナの受信レベル、質(今回はC/N比を測定いたしました)は良好でした。そこで、現在のアンテナ周りを点検していたところ、気付いたのがこのケーブルの損傷でした。
築12年程度と言うことでしたが、このような劣化のアンテナ線はあまり見たことがありません。
数多くの経験からすると皆無ではありませんが、きわめて少ない方だと思います。
外部被覆が硬化してちょっとの力でパリパリと割れてしまうということはよくありますが、こういう状態になってしまうのはケーブルの外部被覆の性質の問題なのかもしれません。
 
今回この線を張りかえたのですが、張り替えた線と劣化した線を比べてみました。
新しいアンテナ線と劣化したアンテナ線比較
左側にあるのが新しいアンテナ線で、右側が劣化したアンテナ線です。
太さにも違いがありますね。
大元の線としては珍しい4Cという太さのケーブルを使用していました。現在では家庭用では5Cがスタンダードではないかと思います。同軸ケーブルにはもっと太い7Cや10Cもありますし、逆に1.5Cなんて細いものもありますが、なかなかお目にかかることはありませんね。
長年使われているアンテナ線ですと、3Cという太さのケーブルが家じゅうに使われているケースも多くあるのですが、今回のようにその中間の太さの4Cが使用されているケースは少ないと思います。ケーブルの外部被覆を見ましても、若干薄めのような気もしますのでこのような劣化状態になってしまったのかもしれません。
 
今回は最終的にアンテナも取り換えて工事終了となりました。それにしても、ブースターも使用していた状態で途中のアンテナ線(※)がこのような状態ではかなり問題もありましたので、こういった線の張り替えもアンテナ改修工事時には積極的に対処したほうがいいと思います。

※家庭用ブースター(電波増幅器)のほとんどは本体部と電源ユニットの二つに分かれていて、屋内に設置された電源ユニットからアンテナ線を通してブースター本体に電源を供給する仕組みになっています。つまり、電源ユニットとブースター本体間のアンテナ線には、微弱ながら電気が通っておりますので、取り扱いには注意が必要です。