アンテナにまつわる都市伝説

今や世の中にはどんなことに関しても情報があふれかえっていますが、中には間違った情報や都市伝説と言われるようなものが数多くあります。
質問サイトなどでは少しだけ知識のある一般の方が、憶測で答えた回答がさも真実のように扱われてしまうことも多々あります。
ここではアンテナ工事にまつわる都市伝説のいくつかを取り上げ、真実を知って頂きたいと思っています。
室内アンテナは窓際に置いた方が電波の受信がいい?
これは某質問サイトでもよく見かける話です。
「室内アンテナで受信するなら、窓際(窓越し)の方が受信がいいですから、ぜひそうしましょう!」
なんて回答をよく見ます。
実はこれ、正しくありません!
これを自信満々に答えている人はどうやら年配の人が多いようですが、昔の話ならおおよそ間違いとも言えないのですが・・・。
つまり、一般的な壁よりも、窓の方が電波をよく通すと考えられていると言うことなのですが、実はそうではありません。
最近の高断熱窓の多くは、非常に電波を遮ってしまいます。
ですから、東京スカイツリーがよく見える建物で、電波が強いはずだから、と窓越しにアンテナを設置するとうまく受信できない、なんてことが起こりうるわけです。
その場合は、窓の前からずらして壁越しに東京スカイツリーに向けると電波が良く受信できる場合があります。
環境にもよりますが、具体的には10~30dBμVも受信状況が悪化してしまう場合があります。
室内アンテナをご利用の場合は、窓にこだわらず一番電波の受信がしやすい場所を探してみることが大事ですね。
ちなみに、衛星放送の電波は光を遮るものであればほとんど同時に遮られてしまいますから、壁越しの受信はできないと考えてください。
デザインアンテナ(フラットアンテナ・平面アンテナ)は八木式アンテナよりも性能が劣るもの?
これは非常に多くのお客さまから訊かれることですが、実際どうでしょうか。
当社での実際の測定結果から申し上げますと、多くの場合20素子相当のデザインアンテナよりも20素子の八木式アンテナの方が、やや受信性能はいいという結果が出ています。
ただし、その差は0.6~1.6dBμV程度の差でした。また、デザインアンテナは指向性が弱いため、複数の方向の電波を同時に受信しやすいというメリットもあります。
当社屋上での測定結果では、東京スカイツリーに向けたばあいに、東京スカイツリーからの電波ではデザインアンテナがやや劣るものの、そのままの向きで角度の違うテレ玉の受信に関していえば大幅にデザインアンテナの方が受信結果はよく出ていました。
参考ページ:フラットアンテナ頂上決戦2012年12月(データ編)
また周辺環境などによっては一般的な受信でも状況が逆転することもあります。また反射波が多い電波障害地域などの場合は、指向性の強いアンテナの方が電波の質が良く受信できる場合もあります。
特に指向性を強めたアンテナに、パラスタックアンテナなどもあります。
屋根裏など設置に制限のある場所では、指向性の強い八木式アンテナは不利になりますし(きちんとした方角に向けられないことがあった場合)、屋根の上の設置ではデザインアンテナは風の抵抗を受けやすいため設置そのものを検討する必要があるかと思います。
また、壁面の高さと屋根の上の高さでは、屋根の上の高さの方が電波受信状況がいいことが多いため、屋根の上の八木式アンテナと壁面につけたデザインアンテナとを比べた場合、八木式の方が受信状況がいいと言えることは多く、この二つを比較して「八木式アンテナの方が性能がいい」と言っていることもあるのかもしれません。
屋根裏はアンテナの受信が悪い?
個人ではかなり昔から屋根裏にアンテナを設置している方がいるようですが、当社では2011年から実証実験を3年間行ったデータを元に屋根裏設置工事を行っています。
現在も多くのご依頼、ご要望をいただく工事の一つであり、常に最新情報をアップデートさせていただいている工事でもあります。
屋根裏設置はメリットもデメリットもありますが、工事のスタイルとしては魅力のある選択肢だと思います。
ところで、屋根裏への設置は他の設置方法と比べて電波が悪くなるものなのでしょうか?
結論から言うと、多くの場合「屋根裏設置」をしたことで、受信が悪くなるとは言えません。
アンテナ設置方法を「屋根の上」「壁面」「屋根裏」「室内」の4種類で考えてみましょう。
まず一番受信環境がいいのは「屋根の上」になるのは想像に難くないと思います。
もちろん中には例外というものがありますが、おおむねこれは間違っていないと言えます。
次に受信環境がいいのはどれでしょうか?
実はここは非常に難しいと言えます。
では一番受信が難しくなるのは?と言うと、ほとんどの場合「室内」となります。
実は「壁面」「屋根裏」「室内」の設置については状況によって大きく変わることがあるのです。

まず同じぐらいの高さの建物が密集している場合、壁面ではうまく受信できない場合がありますが、それよりも高い場所、つまり屋根裏の場合大幅に受信状況が改善される場合があります。
また、屋根裏と言うのは室内と同じような状況と考えてもらうといいと思いますが、屋外の境目にあるのは壁ではなく屋根となります。
そこでこの屋根材と断熱材の種類、それから断熱位置が大きく関係してきます。
これらの組み合わせによっては著しく電波を遮ってしまう場合があります。
  • 金属屋根の場合
  • 金属屋根は電波を大きく遮ってしまう場合がありますので、屋根裏へのアンテナ設置は難しくなります。
  • 野地板吹き付け断熱の場合
  • 昔ながらの断熱材天井敷き詰めではなく、最近では屋根の野地板に断熱材を吹き付けている場合があります。この断熱材の種類によっては電波がだいぶ遮られてしまう場合があります。
  • 軽量鉄骨造の場合
  • 軽量鉄骨造の建物の場合、屋根裏ではうまく電波が取れないことがよくあります。すべてにおいてと言うことはありませんが、木造の建物よりも屋根裏での受信は難しくなります。
また、柱が多い屋根裏の場合、八木式のアンテナではまっすぐに電波塔方向に向けることができず、十分なアンテナ性能を引き出せない場合がありますので、デザインアンテナなどの方が屋根裏設置には向いているといえるでしょう。
雪が積もると屋根裏のアンテナは映りが悪くなる?
屋根裏にアンテナを設置している場合、屋根に雪が積もってしまうと受信障害が起きる、という話を聞きますが本当でしょうか?
屋根裏だから特別障害が起きると言うことは無いようです。
2014年に関東では記録的な大雪が降りました。この時すでに当社では屋根裏アンテナ工事を実証実験中だったのですが、屋根の大雪が積もった状態でも電波の減衰は確認できませんでした。
それよりも当時は屋根の上にあったアンテナが大きな被害を受けて、復旧工事が大変でした。
ちなみに、当社での施工アンテナの倒壊などの被害はありませんでしたが。

2014年の大雪被害についてのコラムはこちらからどうぞ。
大雪によるアンテナ倒壊被害
アンテナとブースターは同じメーカーに揃えるべき?
【質問】アンテナ本体とブースターは同じメーカーでそろえた方がいいのでしょうか?
【回答】特に気にする必要はありません。
メーカーごとによって受信する電波の特性が変わると言うことはありません。ですから、ブースターをアンテナと同一のメーカーでそろえる必要性はありませんね。
ただし、デザインの統一感を出すという意味では多少効果があるかもしれません。
とは言え、それほどアンテナとブースターで同様のデザインコンセプトが採用されているかと言うと、何とも言えませんが。

ただし、マンションなどブースターを複数台使用する場合(カスケード接続に限らず、並列設置の場合も)は、調整のしやすさと言う観点から、ブースターは全て同一のものに揃えた方がいいでしょう。
ブースター本体と電源ユニットの組み合わせは、当然同じメーカーであると言うことだけでなく、きちんと対応するセットのものを使用すべきですね。
ちなみに、工事会社や販売会社によっては、その仕入れの都合により、同じメーカーで統一してほしいという意図があるかもしれません。

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